早慶合格へ②2 早稲田文学部 現代文 2015 大問1解説
↑方針確認のために載せておきますね
それでは
早稲田大学文学部2015大問1
の解説をしてみたいと思います
問題文は用意できてますか?
できてない方はこちらのサイトからどうぞ!
OKなら始めたいと思います
【大前提】
まずは設問の要求を確認して
それに『正しく』答えようとすること
『問1』
傍線部1「日常の神秘/に入り込むための/小さな通路」とあるが、その例として/適当でないものを次の中から1つ選べ
↓
①その例として
⇒抽象的な中心概念を本文から見極めて、その観点から具体例の選択肢をしぼる
②適当でないもの
⇒中心からズレた仲間外れのものが1つあるのでそれを選ぶ
③「日常の神秘」は(本文の中で)どんな意味となっているのかよく分からないワードなので、傍線部の付近から、このワードをサーチしてみて、このワードの定義などを確認する
(解答への根拠or根拠にたどり着く前のヒントは傍線部付近に用意されているので、まずはサーチしてみる)
④「に入り込む」とは、→(矢印)みたいな動作のベクトルなので、そういう動きはないか?付近で確認してみる
⑤「小さな通路」とは本文での意味を確認するべき比喩表現と意識しておく
↓
↓(いきなり本文の傍線部1付近へ)
↓
(1パラ)傍線部1付近
をサーチして
それは、物のあることの神秘に、
自在に入り込むことを可能にさせる新しい通路
という形で③④は同時に満たされた
↓
それ=通路
となっているので、通路の定義がなされてると考えて、さらに指示語の内容は解答に反映されるのが国語なので、何を指しているのか?チェックしてみる
↓
それ(=通路)=暮らしの器=李朝陶磁
↓
↓
小さな神秘=暮らしの『器』(⑤OK)
日常の神秘=『物』のあることの神秘
↓
器=物
を核にしているものが解答候補
(国語では設問の核になる箇所にあるものをキーワードとしてとらえ、
キーワードを含むものは正解候補
キーワードを含まないものは不正解候補
この場合は不適切なものを選ぶので
もちろん不正解候補を選ぶこと)
↓
↓
(選択肢)
イ、ロ、ハは、物(=器)を含むが
二は、儒教となっていて、物ではない
↓
よって二が仲間外れなので
正解は二
↑
↑(さらに補強すると...)
↑
『暮らしの』『日常の』
とあったので
時制は現在(←これを捉えるのも国語のポイント)
二は、李氏朝鮮時代の
という過去で書かれているので仲間外れ
あとは...
イ...生まれてくる...現在
ロ...手元に置いて使う...現在
ハ...毎日...現在
で特に問題はない
結局、この問は、傍線部のすぐ直前に解答の根拠があった問題でしたね
続いて問2に移ります
『問2』
傍線部2「物を直接に観る「眼」」とあるが、その眼の/例として/適当でないものを1つ選べ。
↓
①例として...『中心』をチェックして
②適当でないもの...仲間外れを選ぶ
③「その眼の」→修飾語句で限定している意味ありげなワード→サーチしてみる
↓
↓(いきなり傍線部2へ)
↓
(パラ2)
(たとえば、以降)
しかし→逆接なので以下が強い表現
→解答の根拠となる可能性大
→「眼」をサーチしてみる
↓
いや、創り出した眼は、西洋の美学的観念からは、かけ離れた動き方をする。
↓
眼≒西洋の美学的観念
↓
ハが、西洋美学的観念を創り出した眼
となっていて
眼=西洋美学的観念
ということなので、矛盾
↓
正解はハ
↑
↑(補強してみると)
↑
(以下の本文に)
その眼は、暮らしなかでのみ磨かれうるひとつの純粋な直観に依っている
↓
「現在」の視点
↓
イ、ロ、二...現在
ハ...過去
ということで仲間外れはハ
問1問2から見える
【現代文のポイント】
・設問の要求に正しく答える
(→適当でないもの=仲間外れ)
・傍線部前後付近に根拠
・ワードサーチ
・パラグラフの強調(逆接)
・イコールとノットイコール
・時制(現在or過去)
・具体例なので抽象(中心)を押さえる
本文を頭から読んでまとめていきながら
設問が来たらそれを解く...というのは一見正確なやり方のように思えるかもしれませんが、、、
実際には、時間が足りない...、頭がまとまらない...、(着眼点が分からず)設問に対応できない...
という状況で立ち止まってしまうことが多くないですか?
『実際に読み取るべき量は少なくても、しっかり確実に正解を得ることはできます』
それぞれの設問でまとめているポイントを次の(年度の)問題に活用する意識を持っていけば、成果を感じる成長もできますので、うまく取り入れてもらえたらと思っています
それではあらためて
問3からの解説をスタートしますね
『問3』
傍線部3「美しいという、ありふれた言葉の意味を、根本から変えるまでに美しい」とはどういうことか。その説明として最も適当なものを選べ。
『〜とはどういうことか』というイコールの説明を求めている設問
→美しさの説明を求めているのば分かるが...
↓
本文をサーチするキッカケが欲しい
↓
傍線部が引かれていない主語に、国語はポイントを隠してくる
という原則を元に『何が美しいんだろう』と考えて、主語にあたる言葉をチェックし、そこを軸に考えてみる
↓
↓(すぐに傍線部3へ)
↓
(傍線部3の直前文に)
↓
そこで生み出される雑器「こそ」が、美しい。
とあり、「こそ」という強調なので、『雑器』に注目する
(ここの部分は5パラの最後なので次のパラグラフに進みたいところだが...)
↓
(6パラ)
朝鮮人は、こうした器が美しいとは、少しも感じずに、...
「美しい」という説明を求める問題なので、それを否定してることを説明するこのパラグラフは不要だと判断する
→『パラグラフの頭でそのパラグラフの内容の性質(方向性)を述べる』ということから、6パラは不要と判断している
↓
(7パラ)
「雑器」というワードに強調があったので、そのワードをサーチして...
「物」の「美しさ」は、(←ここをサーチした)
物だけが持っているのではない。それを観る人間の眼とともに、ある瞬間に物から生まれてくる。
↓
not A but B の構文(AではなくB)なので
Bに強調点がある
↓
物の美しさは、それを観る人間の眼とともに、ある瞬間に物から生まれてくる、
↓
正解はハ
『主語ー述語』関係を追うことは国語の基本。どちらかに傍線が引かれていなくても、その関係をチェックすること!
続いて問4に移ります
『問4』
「「茶」の病ひ」とあるが、その例として最も適当なものを1つ選べ。
↓
「その例として」→中心をとらえる
「病ひ」→比喩→マイナスイメージの同じベクトルを持つワードをチェックする
↓
↓(パラ9)傍線部4
↓
(コツ)傍線や空所に対して解答サーチするときは、その前後につく言葉を含めてサーチするとよい
↓
(傍線部4の前に)
神品の地位と法外の値を与えたのは、茶道だが、与えた時には、すでに(傍線部4)が始まっている。
↓
『〜した時』『〜なので』は同時性としてヒントになるので活用するとよい
↓
ワードサーチを続けていき
↓
(パラ10)
「反対に」という強調する対比の接続語なので、これ以降に答えorヒントがあるのでは?
↓
高額な商品(=法外の値)
必ず銘があり、金印があったりする(=神品の地位)
↓
(このあたりにヒントがありそう)
↓
↓「病ひ=堕落」
↓
利休は、茶の完成者と言うよりは、明らかにその堕落の歴史的な出発点にいた人だと、...
↓
利休=茶の堕落の出発点
(コツ)傍線や空所に対して解答をサーチするときは、その前後につく言葉を含めてサーチするとよい
↓
(「反対に」のすぐ以下に)
↓
利休の指導によって作られた(=出発点にいた)とされる楽茶碗...
↓
正解はハ
問3問4から見える
【現代文のポイント】
・比喩はベクトル&イメージを押さえる
・サーチするときは前後も含めてみる
・〜する時、〜するので →同時性(=)ヒント
・主語ー述語関係
このようにして設問に取り組む姿勢のホンの一部でも伝わっているでしょうか?
ポイントの押さえ方が
次に生きてきますので
しっかり覚えておいてくださいね!
続いて問5に移ります
『問5』
空欄a〜cに入る語句の組み合わせを選べ。
↓
空欄補充は「入れやすいもの」と「入れにくいもの」に分かれるので、入れにくい(ヒントが少ない)ものに時間をかけるのでなく、入れやすいヒントを持つものをチェックすること
(→必ず入れやすいものがあります)
↓
『という』というイコールの関係を作る言葉があるので、b=c
↓
それが成立している選択肢は、イとロ
↓
イ、ロには、茶器・茶道のどちらかが入る
↓
空欄補充では、前後につく言葉を含めてサーチしてみるとよい
↓
bというcの発見とほとんど同じであった。
↓
↓パラ14の頭が『したがって』(因果関係)で始まっているので、(とりあえず)前を見てみる(前後は=or→の関係性)→そこからヒントを得ようと(まずは)考えてみる
↓
雑器という物が在ることの言わば最も深い次元がその時、突如として開かれたのである(→発見につながる)
↓
↓(したがって)
↓
bというc=雑器という物=茶器という物
↓
正解はイ
↑
↑(補強として)
↑
(パラ14)の2文目
本居宣長の言葉を借りて言えば(=を示す導入)、茶道とは、まさしく「物にゆく道」であったと言える
↓
物の強調
↓
aの発生は、bというcの発見とほとんど同じであった。
→cが強調されている
→c=物
ということでイが正解である確認が出来た
問5から見える
【現代文ポイント】
・『という』はイコールのしるし
・『AしたがってB』はA→BorA=B
なので、ヒントに使おう!
続いて問6に移ります
『問6』
空欄Xに入る最も適当な六字のひとつづきの語句を、/本文中の※印をつけた段落よりもあとの部分から/抜き出せ。
↓
六字、六字...と探すのは❌(→時間がかかりすぎる...)
↓
※印をつけた段落よりあとの部分から
→※の次のパラ13から以降ととらえても問題なさそう(もちろんパラ12〜でもよい)
↓
いったんパラ13以降を確認してみる
↓
空所補充では、前後につく言葉を含めてサーチしてみるとよい
↓
高麗の雑器は、Xの最も深い次元で発見し直された
↓
↓サーチ
↓
(パラ13)
(問5で根拠にした)
雑器という物が在ることの最も深い次元が、その時、突如として開かれた(→発見につながる)
↓
X=物が在ること(←六字OK)
↓
正解は...物が在ること
ラストの問の説明になります
『問7』
次の中から本文の内容と/合致しないものを1つ選べ。
↓
『趣旨or論旨に』
①今までの設問(論旨につながっています)
②最終(付近)パラ
に解答の根拠があることがほとんど
『内容に』
①、②は上に同じ
③今までの設問で読んでいないパラ
に根拠があることがほとんど
↓
指示は「内容に」なので、チェックするスパンは広め...
『合致しないもの』
「明らかな」矛盾を探して、それを選ぶ
→矛盾してないものはうまくまとめているため、矛盾してるのかどうか気がつきにくい
(→それらはいったんスルーしておく)
↓
↓
↓
選択肢を読んでみると
今までの設問での問いかけに対する解答では選択肢をさばくことは難しいと分かる
↓
いったん解答の根拠のありかを
まだ読んでいないパラ&本文の最終パラ(付近)という②&③を組み合わせて考えてみることにする
(最終パラ付近を解答根拠にした設問がこれまでなかったのはアヤシイ...←現代文は最後に大きくまとめるハズなので)
↓
↓(やみくもに読み散らかすのではなく)
↓
パラ16orパラ17の強いところ(すなわち核)を押さえるために、そういう『強い』ワードを探してみると...(強調=ポイント)
↓
(パラ16)
『しかし』(逆接=強調)
分析されたものの総和や合成が、元の創造へと遡る路は決してないのである。
(のである=強い断定)
(初期〜創造をもたらした。は特に強くないのでいったんカット)
物を「ぢかに見る」眼は、いろいろな見処を分析し、観察する眼とは、『まったく』違う。
↓
↓
①分析→創造 ❌
②ぢかに見る眼≒分析、観察する眼
↓
分析観察眼≒ぢかに見る→創造 ❌
↓
選択肢ロ
観察によって分析→ぢかに見る→創造(新しい命を吹き込む)
と書いてあるので矛盾
↓
正解はロ
太字のところは根拠なので
そのところを外さず考えていけるようになれば、少しずつかもしれませんが、正答率は上がっていくと思います
(前からダラダラ本文を読むのではなく)設問に必要な箇所の本文をとらえて解答へ結びつける
というイメージが少しでも伝われば幸いです